もてる男の顔の研究を行うことは、どこの国でも長年タブーとされてきました。
そこには「男は顔じゃない」「女は内面で判断する」と言った根拠のない男性側の一方的な願望のようなものがあったからかもしれません。
しかし近年、少しずつですが男性顔の研究も行われるようになってきました。
ここでは雑文ながら、それらをまとめてみたいと思います。
【1】女性が顔を重視しない理由
よく「女は男ほど顔の美しさを気にしない」と言われますが、これは狩猟採集時代(旧石器時代~縄文時代)、男性の顔は泥土とヒゲで覆われていて、殆ど見えなかったことに起因しているといわれています。
上記イメージ図のように、見えるのは「目の周辺だけ」だったと考えられています。
我々の遺伝子は、1万年前から殆ど変わっていないワケですから、当時から唯一完全に露出されていた「目」というパーツが現在でも最重要視されることが理解できます。
女性は、人類がまだ言葉を持たなかった時代から男性の目を見ることで、自分に対する好意量(やさしさ・投資量)を推し量っていました。
人は相手の「目の形」「目の大きさ」「瞳孔の大きさ」の3つで、で自分に対する好意の量を概ね判断します。
特に「目そのものの大きさ」と「瞳孔」は興味のあるものに対しては無意識に大きくなります。
このことから、目も瞳孔も大きく見える二重瞼(ふたえまぶた)の男性の方がモテることが説明できます。
【2】一重瞼の人はどうなる?
一重瞼(ひとえまぶた)の人は、ワイルドな印象を与えることができるのですが、同時に粗暴な印象も与えてしまうため、恋愛関係を築くまでに若干時間がかかる傾向があります。
とはいえ「一重瞼の人の方がいい」という女性も存在しています。
こう断言できる理由は、全ての女性が二重まぶた好きであれば、一重まぶたを作る遺伝子はとっくの昔に淘汰され、一重まぶたの男性自体がこの世からいなくなっているハズだからです。
やさしそうに見える二重瞼の方が第一印象が良いのは間違いないですが、実は常にやさしい雰囲気を醸し出している男性は、敬遠される傾向があるのです。
なぜなら、誰にでもやさしいということは多感なこと、つまり浮気性の証だからです。
現代風にいうと「チャラ男」ですね(笑)
なので「普段は険しい目をしているが、自分と話す時だけやさしい目になる」というのが、最もモテる目のような気がします。
【3】男顔・女顔の定義とは
次に顔全体ですが、昔から男らしいゴツイ顔がいいとか、フェニミンな女顔がいいとか、色んなことが言われてますが実際のところはどうなんでしょうか?
この話をする前に、両性の顔の定義を説明しておきたいと思います。
まず男顔とは、顔の形が正方形に近いほどに骨格がしっかりとしていて、目は細く四角形で、鼻が大きく、唇が薄く、おでこが平らで、あごが大きく、眉毛の上の骨が隆起しているという顔。
そして女顔とは、顔が小さく卵型で、目は丸くて大きく、鼻は小さくほっそりとしていて、口が大きく、唇が厚く、おでこが丸く、まつ毛が長く、あごがするどく尖っているという顔です。
顔の形成には、胎芽期&胎児期に子宮内で浴びる男性ホルモン(テストステロン)と女性ホルモン(エストロゲン)の分泌量が大きく関係しています。
フェミニンな顔立ちをしている男性が、性格も女っぽいのは、決して気のせいではないのです。
そして、男顔な人(テストステロンが多い)ほど無表情で笑顔が少なく、女顔な人(エストロゲンが多い)ほど表情豊かで笑顔も多いということを付け加えておきます。
お相撲さん、レスラー、F1ドライバー、重量挙げの選手など、テストステロンが多そうな職業の人は、みんな無愛想なのを見てもわかるかと思います。
【4】男顔と女顔、どちらがモテる?
英ブリストル大学の研究チームは、CGを用いて様々な角度から男性の顔を検証した結果「女性は、40%女顔の男性を最も好む傾向がある」と結論づけています。
つまり「平均的な男顔よりも、ちょっと女性よりな顔が現代社会では一番モテル」という結果が出たのです。
日本人女性が被験者になった例もあるのですが、その際は特にこの傾向が顕著に表れたということです。
もちろん好みの差はあるでしょうが、平均するとそうなるようです。
上の写真はどちらもCG合成で、左が平均的な男顔よりも40%女顔にしたという理想の顔。
そして右が、平均よりも40%男顔にしたものです。
右の男性は確かにたくましい印象を受けますが、ちょっと怖そうです。
反対に理想とされる左の男性は、とてもやさしい印象を受けます。
目自体の大きさも、左の男性の方が若干大きくなっているのがわかります。
男でも「どちらと友達になりたいか?」と聞かれたら、おそらく殆どの人が「左の人」と答えるのではないでしょうか。
言われてみれば、最近のジャニーズの若手にも女顔が多い気がします。
おそらくですが、昭和初期ぐらいであれば、右側の男性の方が人気があったでしょう。
食料事情が乏しい国々では、現在でも「たくましい」というだけでモテるからです。
しかし国が豊かになり、食料の心配をする必要がなくなったこの現代日本では、強くあることよりもむしろ、やさしく家庭的であることの方が重視されるようです。
アメリカ プリンストン大学の心理学研究チームも「ほとんどの女性は、より女性的な形の顔をした男性を好む」という内容の論文を発表しています。
【5】男顔がモテるとする研究結果も
一方、スコットランドのセント・アンドルーズ大学の認知研究所チームが行った調査では、違う結果が出ています。
以下の写真を平均年齢26歳の45人のスコットランド人女性に見せたところ、もっとも人気があったのは「5」と「6」だったということです。
つまり、より男性的な顔立ちが好まれたのです。
ちなみに1~6までの写真は全てCG合成で、1人の実在する男性から作られています。
目、鼻、眉毛、輪郭、ヒゲ等を加工して、実際よりも女性的に加工したものを上段(1~3)、男性的に加工したものを下段(4~6)に配置しています。
これらの研究結果から導き出される推論は「若い頃は男性顔がモテるが、ある程度の年齢になると女性顔が好まれるようになる」というものです。
【6】無精ヒゲは本当にモテる?
英国ノーサンブリア大学の研究チームは、18~44歳の女性を対象に調査を行った結果「英国人女性の約8割は、無精ヒゲの男性を魅力的だと感じている」と発表しました。
研究チームは「無精ヒゲの男性は、タフである、積極的である、成熟している、成功している、という印象を持たれやすいからではないか」と分析しています。
イギリスを含む欧米社会では「綺麗にヒゲを剃っている男性」や「完全なるヒゲ面男性」よりも、「ちょっと無精髭を生やした男性」が好まれるようです。
なるほど、俳優さんやサッカー選手にもそういう人が多い気がします。
しかし、この結果を全ての人や国に当てはめるのは、少々危険です。
たとえば日本だと、ヘタに無精ヒゲを生やしていれば「無職」「ニート」「浪人生」という印象を持たれかねません。
「そこまで外見にこだわっていないよ」という無骨な印象を与えるには有効かもしれませんが、全員に当てはまるというワケではないでしょう。
そもそも「似合う・似合わない」もあります。
欧米のアイドルにはヒゲを生やしている人もいますが、日本の男性アイドルで、ヒゲを生やしている人は殆どいません。
「無精ヒゲが大好き!」と宣言している日本人女性もあまり見たことがありません。
このあたりは文化的背景や社会的背景との相性もあるので、非常に不安定な要素といえるかもしれません。
【7】無意識の加点と減点
アメリカの心理学者「デヴィッド・M・バス」が行った調査が非常に面白いので紹介します。
以下のような2枚の顔写真を用意し、それぞれを100人の女性に見せ、顔の感想と点数を付けてもらうというものです。
「A」のプロフィールには「職業:コンビニ店員 年収:200万円」と書きました。
そして「B」には「職業:弁護士 年収:2000万円」と書きました。
2枚に使われている男性の顔写真は、まったく同じものです。
「A」の写真を見た女性達の評価は「品がなさそうだわ」「頭が悪そう」「野暮ったい感じがするわ」といったものが大半で、平均点は10点満点中、3.8点でした。
一方「B」の写真を見た女性達は口々に「知的な感じがするわ」「とても優しそうね」「お付き合いしてもいいわ」といったものが多く、平均点は7.2点でした。
その差なんと3.4点!
倍近くになりました。
もう一度言いますが、評価してくれとお願いしているのは「顔だけ」です(笑)
男性は、目の前の女性が、たとえ億万長者であっても、それで美人に見えるといったことは絶対にありません。
言い方悪いですが「金持ちなブス」と思います。
しかし、女性は眼の前のものだけでなく、無意識にその背景にあるものまでを評価の対象としてしまうのです。
女性がこのような思考回路を持つ理由は、左右の脳を繋いでいる脳梁(のうりょう)が太いためだと言われています。
体が弱い女性は、1つの物事を決定する時でも、色々なデータを引っ張り出してきて、総合的に考えるクセがついているのです。
【8】シンメトリー顔はやはりモテる
次に顔のパーツのバランスの話をしたいと思います。
これは既にシンメトリー(左右対称)であればあるほどモテるということが多くの研究によって明らかになっています。
人や猿などの高等霊長類は、同種の顔を見る時だけ、1ミリほどのバランスの違いでも「美しい・美しくない」ということを感じられるようにできています。
その証拠に我々は、猿の顔を「カッコいい・カッコ悪い」と感じることができません。
しかし、彼らの中では圧倒的にモテる猿と、モテない猿というのがハッキリと分かれているのです。
(同じ霊長類なのに…考えてみればこれはとても不思議なことです)
逆に猿から我々人間を見れば、おそらく木村拓哉とあなたの区別がつかないハズです。
これは生物が、仲間を見分けるため、そしてより優秀な異性を選択するために、その視覚を進化させてきたためです。
なぜシンメトリーな顔がモテるのか? ということですが、これはシンメトリーが、優良遺伝子の持ち主であることを証明しているからです。
優良遺伝子とは一言でいうと「健康な人」ということです。
人は、胎児期から第二次性徴までの間に、十分な栄養をとり、かつストレスなく育つとシンメトリーに限りなく近い顔(体型も)になります。
逆にこの時期に栄養不足だったり、寄生虫病などにかかったり、ストレスのたまる生活を送っていると、顔が歪みます。
男性の場合でいうと、現在わかっているだけでも以下があります。
免疫力が高い
体脂肪率が低い
体格がよい
運動能力が高い
前向きな性格である
精●の質が良い
長生きするetc…
【9】シンメトリー顔=魅力的
百聞は一見にしかずです。
以下の写真は、左側が実在する人の顔写真で、右がそれをCG合成してシンメトリー顔(左右対称)にしたものです。
上下とも、どう見ても右側の人の方が魅力的です。
そして何より、健康そうです。
【10】シンメトリー顔は健康の証
シンメトリー顔は、心身共に健康で、生殖能力も高いというメッセージを相手に送ります。
生殖能力が高いとは、「妊娠させる、または妊娠する能力が高い」という意味で、それだけ子孫を残せる可能性が高い事を意味しています。
さらに最近の調査では、実際にシンメトリーな人ほど、初体験も早く、恋人の数も多く、結婚する年齢も早く、子供の数も多く、さらに病気にもかかりにくい、ということが明らかになっています。
さてこんな話を聞くと、あなたも自分の顔がシンメトリーかどうかを確かめたくなるのではないでしょうか?
では鏡に映ったあなたと、写真のあなたを見比べてみてください。
殆ど違和感を感じないという人は、かなりシンメトリーに近いです。
逆に、強く違和感を感じる人や、写真写りが悪いといつも感じている人は、顔が歪んでいる可能性が高いです。
毎日同じ向きで寝ている、体の片側ばかりを酷使している、片方の手ばかりで頬杖をついている、などのクセがある人は治した方がいいでしょう。
とはいえ、完全なシンメトリー顔という人は存在していないので、誰もが多少の違和感は感じると思います。
余談ですが、恋愛本などで「自分と似た顔の異性に惹かれる」としているものがありますが、それは間違いです。
確かに人は「同類選択」といって、自分と人種、言語、宗教、生活環境、居住地域、趣味、倫理観などが似ている異性に惹かれる傾向がありますが、顔だけは近●交配を避けるため、自分とまったく似ていない異性にしかときめかないように遺伝子にプログラムされています。
詳細は以下をどうぞ。
【11】平均顔は、やはりモテる
一般人100人を集めて平均顔を作ると、その100人の誰よりも魅力的な顔が出来上がることが知られています。
こうなる理由は、脳が現代人の平均顔を常に作り、それをもっとも魅力的だと認識するよう機能しているからです。
↑↑メチャクチャ大事です
その証拠に我々は、たった10年前のアイドルですら「古臭い」という印象を抱きます。
江戸時代の美人画なんて、ちっとも美人に感じませんよね。
これはつまり、脳内で作られる平均顔が、常にアップデートされているからに他なりません。
脳は常に平均顔を作成・記憶しているのです。
なぜ脳がそんな事をしているのかというと「より人間的な人との間に子孫を残そうとしているから」です。
たとえば、人間に非常によく似たサルがいたとして、そういう生き物を好きになっているようでは、その人の遺伝子は絶滅です。
極端な選択を避け、より人間的・より平均的な人を選ぶことで、確実に子孫を残そうとしているワケです。
似顔絵を描くのが好きな人ならわかると思いますが、美人やイケメンほど描きづらいです。
それは、美人顔・イケメン顔というのは平均顔に近く、特徴がないからです。
【12】美意識は常に変化している
最後に、人間の美意識は常に変化しているというお話をしたいと思います。
これは、ある程度の年齢の人であれば、感覚的にわかると思います。
前述した通り、脳内の平均顔というのは毎日のように更新されています。
つまり、今現在でモテていない人でも、5年後にはモテモテになっている可能性があるということです。
昭和一のモテ男「石原裕次郎」だって、現代に生まれていれば売れてすらいなかったかもしれません。
アメリカに留学した友達が面白い事を言っていました。
「アメリカに着いた瞬間はアメリカ人がみんな同じ顔に見えたけど、4年後に帰国した時は日本人がみんな同じ顔に見えた」
モテる男の顔が相対的・流動的である以上、これを定義するのは非常に難しいといえます。
流行(メイク・ヘアスタイル等)が移り変わる理由は、1人の異性にも、1つのモノにも、どんなものに対しても必ず「飽き」というものがくるように、人の脳が設計されているからです。
求心顔は老けてみえる…遠心顔は童顔に見える…しょうゆ顔はクールな印象…ソース顔は男らしい…塩顔は中性的…そんな事を言っている人でも、おそらく5年後は考えが変わっているでしょう。
流行が移り変わり、それに伴って平均顔(モテる顔)も変わっていく…という歴史が今後も永遠に繰り返されていくでしょう。
時代背景や食糧事情などによっても、モテ顔・モテ体型というのは変わってきます。
(貧しい国では、ゴツくて太っているだけでモテる)
繰り返しになりますが、現在モテていない人でも落ち込むことはありません。
非モテ君でも、数年後はモテモテになっているかもしれませんよ♪