最初に言っておきますが、今回のは半分グチです!
さて…ある程度の恋愛経験を積んだ人であれば、巷にあふれる恋愛心理テストなど殆どデタラメだということぐらい分かっていると思いますが、世の中には信じてる人も大勢います。
ここでは、恋愛心理テストがいかにいい加減か、そして今後は何を信じたらいいのか?そんな事についてお話していきたいと思います。
【1】そもそも根拠がゼロ
恋愛本に、こんな心理テストが載っていました。
[A]森で迷った時、道案内を頼むとしたらどの動物に頼みますか?
①サル ②ネコ ③ウサギ ④クマ
①を選んだ人は、束縛が大嫌いな独身貴族タイプ
②を選んだ人は、プライベート重視の自分大好きタイプ
③を選んだ人は、良き妻・良き夫になる安定結婚タイプ
④を選んだ人は、家庭第一アットホームな良き親タイプ
でこの後、「皆さん、いかがでしたか?」とか書いてあります…
いやいや…根拠はなんじゃい!?(汗)
この心理テストに限らずなんですが「なぜそうなるのか?」という根拠がどこにも書かれていないんですね。
たとえば400人くらいの人にやってもらって統計をとって、その後何十年と経過を見て、「サルを選ぶ人は生涯独身でいる確率が高い」みたいな明らかな有意差が確認されたのならわかりますが、殆どの恋愛心理テストは、客寄せパンダ的なノリで書かれているのが実情です。
神社のおみくじと大差はなく、統計的根拠も科学的根拠もないものが殆どです。
【2】恋愛心理学も嘘ダラケ
恋愛心理学のブログに、こんな事が書いてありました。
女性と目が合った後、その女性が下を向いたらそれは服従のサイン♪「あなたについていきます」という意思表示であり、あなたに気がある証拠です。
下を見ただけで服従のサイン?
正気で書いてるとは思えません。
百歩譲って個人ブロガーが書くのならわかりますが、Yahoo!のトップページで紹介されちゃうような有名ブロガーが書いてるんだから困ってしまいます。
まぁ「恋愛ライター」なんて資格もなく「言ったもん勝ち」みたいなところあるので仕方ないのかもしれせんが(汗)
同じブログで、こんな一文もありました。
女性への告白は、4回目のデート時が鉄則。なぜなら4回目のデート時の告白成功率は80%を超えているからです。5回目になると緊張感が減少するため、成功率は下がる傾向にあります。
もうギャグです(笑)
アホらしすぎる内容ですが、中学生とか高校生くらいの男子なら信じてしまうかもしれませんね。
インターネットの普及は私達に爆発的な知識をもたらしましたが、恋愛のような不確定要素が多いジャンルは特に上記のような「ガセネタ」が多く含まれていることを忘れてはいけません。
中には、恋愛経験が殆どない男性に「モテる香水」や「惚れ薬」のようなニセ商品を買わせようとする悪質な広告もあるので注意が必要です。
【3】「何に見える?」も全部ウソ
「上記の画像が花に見えた人は、実は精神力が強い人です。何事にもポジティブに考えられる強さを持っています」
みたいな「何に見える?」系の心理テストも全部ウソです。
根拠があれば根拠が書いてあるハズですが、書いてあった試しがありません。
まあこれに関しては、あまりにもアホらしくて、講義する人もいないのでしょう。
ではなぜ、このようなアホ記事が量産されているのか?
その答えは1つ、見る人がいるからです。
【4】時代は進化心理学へ
心理テストや恋愛心理学などはいい加減なものばかりですが、これとは違い、確実な根拠の元に論じられているのが進化心理学です。
進化心理学は、1990年頃に誕生した比較的新しい学問で、日本では2000代初頭から本格的に語られるようになりました。
「心理学」という言葉が入っていますが、「心理学」と「進化心理学」はまったく異なるものになります。
進化心理学は、一言でいえば「人が進化の過程でどのような心理メカニズムを形成してきたか?」を考える学問です。
たとえば、女性は手が大きい男性が好きですが、これは手が大きい方が大型動物と戦う時に有利だったためです。
そのような狩猟上手な男性を選んだ女性は、そうでない女性に比べて十分な食料に恵まれ、結果的に多くの子供を残すことができました。
「好みの男性のタイプ」も母から娘に確実に遺伝しますから、世の中には手が大きな男性好きな女性が大多数を占めることになります。
これが、進化心理学の考え方です。
【5】進化心理学の基本的な考え方
進化心理学は「人間の脳は1万年前の狩猟採集時代とほぼ同じ」という前提に基づいて立論されます。
実際に、我々の遺伝子は、その時代と99.9%以上同じなのです。
漫画「ギャートルズ」の設定がちょうど1万年前なので、その頃とほぼ同じということになります。
僕は15年ほど前に初めてこの事実を知った時、脳天がカチ割られるぐらいの衝撃を受けました。
人は、たったの1万年で生活を激変させました。
人は、サルからここまで進化するのに約1千万年かかっていますが、その1000分の1にあたる最後の1万年で、あまりにも劇的すぎる変化を遂げたのです。
生活は激変しましたが、我々の心はまだ狩猟採集時代のままです。
このことが、現代の我々の恋愛活動に大きな不協和音をもたらしているというワケなのです。
【6】からの~恋愛学なのです
上記の「進化心理学」をベースに考えられているのが、当ブログのテーマでもある「恋愛学」です。
最近は色々なところで目にするようになりましたが、まだまだ発展途上の新しい学問といえます。
実際に、世界中を探しても「オレは恋愛学者だ!」と豪語している人は殆どおらず、日本においては、早稲田大学の森川友義教授ただ1人だけです。
恋愛学は主に、進化心理学、進化生物学、文化人類学、生物学、社会学、脳科学、神経内分泌学etc…などから立論されます。
神経内分泌学は、ホルモンを研究する学問で、最近なにかと話題の男性ホルモン「テストステロン」を研究する学問としても有名です。
心理テストや恋愛心理学とは違い、様々な統計や臨床試験から答えを読み解く学問であることは言うまでもありません。
Yahoo!やライブドアなどの大手ポータルサイトなどでは、未だに「スゴレン」「モデルプレス」「TRILL」「Peachy」「LOCARI」などの「にわか恋愛コラムニスト」みたいな人が書いたくだらなさMAXの「恋愛心理学」みたいな記事を紹介していますが、そういうのは今日から読むのを一切やめた方がいいと思います。