テストステロンについての正しい知識

男性フェロモンがムンムンの中年オヤジ

約15年前、日本で一番最初にテストステロンの記事を書いたのは僕だと記憶しています。
(当時、WEB上に情報は一切なかった)

その記事は何百人もの悪意あるブロガーに盗用され、今ではスッカリ目新しさがなくなってしまいました(笑)
今回は、その記事のリライト版です。

【1】男子製造ホルモン

今やすっかり有名になった男性ホルモン、テストステロン。
恋愛系のホルモンは数あれど、オトコの身体に影響を及ぼすものとしてはもちろん最高レベルです。

男の子が最初にこのホルモンの影響を受けるのは、妊娠6~8週間の胎芽期(たいがき)です。
人間の体のベースとなっている女性の体で生を受けた男の子は、胎内でこのホルモンのシャワーを浴びることによって、脳の配線、考え方、体つき等が男の子モードへと変化します。

テストステロンによって男の子になる

ただ、変化しないで女の子のまま残る部分もあります。
「乳首」です。
必要もないのに男性に乳首があるのは、元々女の子だった名残りです。
乳首が存在することによって、特に生きる上で支障が出るわけでもないので、そのまま残っているというワケなのです。

シモの部分の話は、ここではあまりできませんが、だいたい想像がつくと思います(笑)
男の子は、産まれるに前からこのホルモンのお世話になっているのです。

【2】「モテフェロモン」の異名

テストステロンは一言で言うと、男らしさを強めるホルモンです。
一般に男性ホルモンとよばれているものは、このテストステロンのことと解釈して問題ありません。

「モテフェロモン」の異名を持ち、女性を本能的に惹きつける唯一の物質としても有名です。
たとえ中高年になっても、このホルモンを多く分泌することができれば女性にモテるようになります。本当です。
なぜかモテているというあなたの友達は、おそらくこのホルモンを大量に分泌しています。

どのくらいの影響力があるのかというと、まったくモテないラットのオスにこのホルモンを注射すると、途端にメスが群がってくるほどです。
それほどの凄まじい威力があります。

でもなぜテストステロンを放つ男性に、女性は引き寄せられるのでしょうか?
それは健康で体格がよく、生殖能力の高い男性ほど、このホルモンを多く分泌しているということを本能的に知っているからです。
つまり、遺伝子の眼が好むホルモンなのです。

一生涯に分泌されるテストストロンの量は、わずかスプーン一杯分ほどだと言われていますが、そのわずかな量でも女性は本能的に吸い寄せられてしまうのです。
まさに魔法の香水です。

【3】2種類のモテ効果

テストステロンのモテ効果には、大きく2種類あります。
1つは、テストステロンの匂いそのものが女性を引き寄せるというもので、2つ目は、性格や顔つきが男っぽく好戦的になるので、それが魅力的に映るというものです。

スポーツ選手などがモテるのも、体格の良い男性はテストステロンを多く分泌しているということを、女性が本能レベルで知っているからです。
では具体的に、どのような男性がこれを多く分泌しているかというと…

テストステロンの多い男 顔つき

テストステロンの少ない男性 顔つき

あくまでイメージですがこんな感じです。
感覚的には、多く分泌している人は好戦的で男らしく、少ない人は女性的で優しいと思っていれば間違いありません。
前者を肉食系男子、後者を草食系男子などと呼んだりもしますね。

【4】増える要因・減る要因

テストステロンが、女性を惹きつけるホルモンだということはわかりました。
しかしその生涯分泌量は、遺伝によって半分程度は決まっているといわれています。
遺伝で決まっているとか言われると、運命の呪縛のようにも聞こえますが、生活習慣や考え方によって大きく増えたり減ったりすることもまた事実なのです。

肥満も遺伝によるものが大きいと言われますが、頑張れば痩せられるのと同じです。
以下にテストステロンの分泌量を増やす要因と、減らす要因をそれぞれ列挙しました。

分泌を促すもの

●適度な栄養と睡眠
●筋肉トレーニング
●大きな野望と自信を持つ

分泌を抑えるもの

●平和で安定した生活
●ストレスや敗北感
●勉強などの頭を使う行為

【5】不良や番長がモテる理由

中学校・高校生の頃、ツッパッてケンカばかりしていたような番長タイプの生徒や、サッカー部のキャプテンなどは、たいていモテていましたよね。
反対に、真面目な坊ちゃんタイプや、勉強が趣味のような学級委員長タイプの生徒はモテていませんでした。

格闘家やF1ドライバーの人には好戦的人が多いですが、これも生活習慣によってテストステロンが多く分泌されたからだと考えらます。
大学教授や学者さんなどに温厚な人が多いのは、これと逆の原理が働いたからでしょう。

理論的には、勉強すればするほど知識や教養と引き換えにテストステロンの分泌量は減るので、モテなくなります。
笑えるほどに、うまくできています。
しかしメリットとして、テストステロンの分泌量が少ない人は、ハゲにくくなります。

大学教授にハゲている人が少ないのはテストステロンの分泌量が少ないから

【6】ピークは20代半ば

テストステロン年齢ごとの分泌量の推移
テストステロンの分泌のピークは20代半ばで、そこから徐々に減少していきます。
だから、どんな荒くれ者でも、年齢を重ねれば必ず温厚な性格になっていきます。

冒頭で、中高年になってもこのホルモンさえ分泌していればモテると申し上げましたが、中高年以降もこれを出し続けるのは相当な努力が必要です。
しかし近年では、テストステロンの原料となっている「ジオスゲニン」を増やすサプリなども発売されているので、興味のある人は試してみるのも面白いかもしれません。

【7】本能で好かれ理性で嫌われる

WEB上では、テストステロンのモテ神話が1人歩きし、メリットばかりがクローズアップされていますが、実はデメリットもあるのです。
それは、女性が本能ではこれを多く分泌している男性に惹かれるのですが、理性ではとても嫌うという習性を持っていることです。

「愛と暴力のホルモン」「浮気ホルモン」などとよばれる理由がここにあります。
以下に、テストステロンの多い男性と、少ない男性の長所と短所をそれぞれリストアップしました。
見れば一目瞭然かと思います。

○多い人の長所

●堂々としていて決断力があり、自信に満ちている
●闘争意欲があり、自己主張もしっかりとしている
●たくましい体躯と筋肉がある
●性欲が旺盛で、生殖能力も高い

×多い人の短所

●一人の女性では満足せずに浮気を繰り返す
●DVや犯罪等の反社会的行為を犯しやすい
●孤独願望が強く、家庭的ではない
●落ち着きがなく、物事の分別がつかない時がある

○少ない人の長所

●倫理観が強く、浮気をしない
●平和主義で、やさしい
●社会的で、人あたりがいい
●家庭的で、子供の面倒見もいい

×少ない人の短所

●生殖能力が低く、男性的魅力に欠ける
●決断力がなく、優柔不断
●体の線が細く、筋肉量も少ない
●野望がないため、出世しずらい

ご覧のように女性は、テストステロンの多い男性の長所を好む傾向があると同時に、短所の部分を極端に嫌います。
まさに、諸刃の剣のようなホルモンといえます。

【8】木村拓哉がモテる理由

いつの時代でも、世界中どこへ行っても、女性はみんな口を揃えて「やさしくて男らしい人が好き」と言います。
つまりテストステロンの多い男性の長所と、少ない男性の長所を同時に合わせ持つ男がいいと言っているのです。

しかし、残念ながら現実世界にそのような男性は存在していません。
男らしさと優しさは、共にテストステロンの分泌量によって大方決定されてしまうワケであり、相反するものだからです。

実際に殆どの女性は、このジレンマに悩まされているようです。
「たくましくてモテそうなA君を選べば浮気をされそう…やさしくて良いパパになりそうなB君を選べば頼りがいがない…」
という感じにです。

木村拓哉や福山雅治がモテる理由は、この両方の性質を同時に合わせ持っていそうな”感じ”がするからです。
つまり誰でも、そのような”感じ”が出せれば、最高のモテ男になることができます。

木村拓哉・福山雅治のように、強さと優しさを両方持っていそうな雰囲気を出すことが大事

そして一般には、若い女性ほどテストステロンの多い男性に惹かれ、年齢を重ねるごとに少ない男性に惹かれる傾向があります。
これは、若い頃はまだ理性の働きが鈍く、より本能的な恋愛をするからです。
年齢を重ねて理性が本能が抑制できるようになると、「見た目」や「雰囲気」よりも「年収」や「家柄」などの、より現実的な部分に目を向けるようになります。

男性が女性に求める条件は生涯を通してあまり変わりませんが、女性は大きく変化します。
10代カップルの離婚率が異常なほどに高いのは、このような女性側の事情が大きく関係しているのかもしれません。

【9】ハイリスクを気にしない?

「テストステロン-愛と暴力のホルモン」の著者であるジェイムズ・ダブス教授によれば、テストステロン数値が高い人は低い人に比べて年収が2~3倍多いのだそうです。

なぜこのような事が起こるかというと、テストステロンはリスクを計算しないホルモンだからです。
高テストステロン男性は、やる前に「失敗したらどうしよう?」「負けたらどうしよう?」という事をあまり考えません。
「とりあえず、やってみよう」が口癖です。
その結果、事業などで成功したり、選挙で当選したり、投資などで大儲けしたりします。

しかし、当然のことながら失敗する事もあります。
方向性を間違えてしまうと、とんでもない事になります。
極端にテストステロンが高い男性は、超大金持ちになっているか、刑務所にいるかのどちらかでしょう。

【10】女性にも分泌されてる?

テストステロンは、女性にも微量ながら分泌されています。
その量は「男性の10分の1~20分の1程度」と言われています。

これが多い女性は、女性グループの中でリーダー格的な存在になります。
背が高い、鼻が大きい、唇が薄い、眉毛の上の骨が隆起している、お尻が小さい、ガタイが良い、S気質である、男に媚びない、男気がある、決断力がある、裏表がない、歌唱力が高い、筋肉量が多い、運動神経抜群、ギャンブル好き、ユーモアのセンスがある、といった特徴を持っています。
芸能人で言うと、和田アキ子、米倉涼子、天海祐希、菜々緒、土屋アンナ、あたりがそうです。

テストステロンの多い女性芸能人

テストステロンの多い女性は、同性である女性からの支持率が抜群です。
しかし、どうしても男勝りな部分が多いため、男性に敬遠されたり、婚期が遅くなったりする傾向があるかもしれません。

【11】歌唱力にも関係している?

実はテストステロンは音楽的素養に大きく関係していると言われています。
一言でいうと、テストステロンが多い人は歌が上手く、それによって恋愛関係で優位に立てることが多いのです。

多少ブサイクでも「ミュージシャン」というだけでモテたりするのは、女性が本能的にこのホルモンの多さを感じ取っているからに他なりません。
音楽には、免疫力を回復させる力やストレスを軽減させる効果があることがわかっており、つまり歌が上手な人と一緒にいることは、それだけでメリットなワケです。

年齢を重ねると、作詞作曲ができなくなったり、音痴になったり、ポピュラーミュージックの良さが分からなくなったりするのは、このホルモンが減少したからでしょう。

1万年前の人達も、夕食を終えた後は炎を囲みながら、みんなで歌を歌っていたと考えられています。
そこで、女性をウットリとさせるような美声を披露できた男性は、その視線を独り占めできたことでしょう。

なぜテストステロンが歌唱力をアップさせるのか?という事についてはまだよくわかっていませんが、音楽や芸術を司る右脳を活性化させる作用があるからだと言われています。

【12】ドーピングとの関係性(おまけ)

スポーツ界でいうところの「ドーピング」というのは、まさしくこのテストステロンを増やす行為になります。
瞬発力や筋肉量がモノをいうスポーツでは、このホルモンの量が試合結果に大きく影響を及ぼすからです。

男性はもちろん、元来テストステロン量の少ない女性の場合は、特に効果を発揮します。
1988年ソウルオリンピックで100m、200mで圧倒的な強さで金メダルを獲得した「フローレンス・ジョイナー」の例がわかりやすいでしょう。
(バレてませんが間違いなくクロでしょう)

ドーピングのやり方は様々で、数年経ってからその手口が判明することがあります。
なので、選手の血液を冷凍保存しておいて、新たな検査方法が発見された時に少しずつ解凍して検査します。
このため、レース後数年経った後に、ドーピング違反が明るみになることがあるのです。

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