「愛とは何か?」みたいな哲学的なことを言う人がいますが、恋愛学的には既に答えは出ていて、「愛とは、ギブアンドテイク」ということになります。
誰もが最高に魅力的な人と結婚したいと考えていますが、それが叶わない理由がここにあります。
人の魅力には差があって、誰もができるだけ多くのテイクをしてくれる相手を選ぼうとしているからです。
魅力が10の人は10のギブを提供できますが、魅力が1の人と付き合っていたのでは、1のテイクしか受け取ることができません。
それでは恋愛のギブアンドテイクは成立しないのです。
これを分かりやすく説明してくれるのが「恋愛の市場原理」とよばれる理論です。
【1】恋愛の市場原理 概要
一言でいうと「恋愛市場では、実際の物々交換の市場とほぼ同じことが起こる」という理論です。
では、それぞれが1個の品物を持ち込んだと仮定して、実際の物々交換の市場でどのようなことが起こるのかを順を追って見てみましょう。
【A】価値の高い物を持ち寄った者同士の間で、真っ先に交換が成立する。
【B】普通程度の物を持ち寄った者同士の間で、交換が成立する。
【C】価値の低い物を持ち寄った者同士の間で、交換が成立する。
【D】まったく価値のない物を持ち寄った者は、誰とも交換できない。
【A】の解説
Aの価値の高い物を持ち寄った人のところには、市場が始まった途端に多くの人が殺到します。
それによりAの人は、自分の持っている物の価値の高さに気付きます。
ほぼ誰とでも交換ができる状態になるので、当然ながら、交換を申し込んできた人の中から一番価値の高そうな物を持っている人と交換します。
つまり、お互いが相手の価値を認めた円満な取引になります。
一番最初にこの取引が成立する理由は、「価値の高い物は、うかうかしていると他の人に取られてしまう」という心理が働くためです。
【B】の解説
Bの人達は、本当はAの人と交換をしたかったのですが、断られてしまったので、自分の持っている物があまり価値が高くない物だということに気付きます。
同時に、価値の高い物と交換するということが極めて困難であるということを実感します。
仕方なく、残っている人の中から交換に応じてくれそうな人、つまりそこそこの価値の物を持っている人を探して、交換をします。
つまり、お互いにちょっと妥協した取引になります。
【C】の解説
Cの人達は、AとBの人達に立て続けに断られるので、自分の持っている物が極めて価値の低いものだということを悟ります。
なので、ちょっとヘコみます。
この時点で、時間はかなり経過しています。
仕方なく、かなり妥協して交換してくれそうな人を探し、取引をします。
期待ハズレの取引ですが、誰とも取引ができないよりはマシなので、渋々交換をします。
【D】の解説
Dの人達は、あらゆる取引に断られ、最後まで残ってしまうことになります。
市場に残っているのは、自分と同じく殆ど価値がない物を持った人だけです。
せっかくなので誰かと交換をしたいのですが、まったく価値のない物と交換したところで何の意味もないので、結局何もできないまま帰ることになります。
そして、二度と市場に足を運ぼうとは思わなくなります。
【2】恋愛の市場原理 解説
いかがでしたでしょうか?
上記は単純に物々交換の市場で起こることを順番に説明しただけですが、これとほぼ同じことが、恋活・婚活の現場でも起きているということがお分かりいただけたでしょうか?
物々交換の市場というのは、誰が監視しているワケでもないのに、極めて公正な取引が行われます。
そうなる理由は「誰もが価値の高い物との交換を望んでいるからこそ、交換する物の価値が均衡してくる」という市場の法則が働いているからです。
【3】実際の恋愛市場の場合
恋愛とはそもそもギブアンドテイクで、そこには市場と同じ原理が働いているということはわかりました。
つまり、カップルが成立するためには、お互いの魅力レベルが均衡している必要があるということです。
実際に「恋人ができない」と嘆いている人の多くは、自分の魅力を高く見積もりすぎているか、もしくは自分よりも遥かにレベルの高い人と付き合おう思っているかの、どちらかです。
先ほどの市場を例にすると、価値の低い物を持っているCの人が、価値の高い物を持っているAの人と交換を成立させることは極めて困難です。
Cの人は、同じくCの人でなければ交換できません。
もし自分よりも価値の高い物との交換を望むのであれば、そこに何らかの付加価値をつける必要があります。
それが恋愛の場合は、誠意であったり、お金であったりします。
【4】カップルが別れる理由
ギブアンドテイクで愛は成立するワケですから、そのバランスが崩れると、カップルは別れてしまうということがいえます。
●こんなに尽くしているのに浮気された
●自分ばかりが大変な思いをしている
●一緒にいても楽しいと思わなくなった
恋愛学的には「互いのギブの量が同じくらいであり続けないと、カップルや夫婦として存続していくことは難しい」と言われています。
幸い、夫婦というのは同じように老けていく(魅力レベルも共に落ちる)ので存続するのですが、稀にどちらかが若い頃のままの魅力を維持していたりすると、ギブアンドテイクのバランスが崩れやすくなります。
魅力レベルが均衡しているのはカップルだけでなく、実は同性同士でもこの傾向があります。
女性の場合は特に、自分と同じくらいの可愛さの子達とコミュニティを形成する傾向があります。
あまりにも可愛い女性と一緒にいると、自分が見劣りするからです(笑)
【5】物々交換市場と1つだけ違う点
物々交換市場と実際の恋愛市場で、1つだけ大きく違う点があります。
それは人の場合は、その時期によって、価値が大きく上がったり下がったりするという点です。
例えば女性であれば、20才前後の時期が最も価値があり、恋愛という市場での交渉を優位にすすめることができますが、30才の足音が聞こえてくると交渉が思うようにいかなくなり、40才を過ぎてしまうと交渉してくれる相手を見つける事自体が困難になります。
女性が40才で結婚しようと思えば、20才の頃に付き合っていた彼から数段レベルを落とさなければならないことは明白なのですが、これがなかなか精神的苦痛を伴う行為のようで、決断しきれない人が多いようです。
この点において、男性は恵まれています。
男性の価値は女性ほど急激に下がるものではありませんし、たとえ50才、60才と年齢を重ねたとしても、経済力や社会的地位などの資質を手に入れれば、その価値は再び一気に上がります。
男性は女性に比べると、遥かにのんびりとした恋愛活動ができるのです。
例えるなら、女性は時間が経つと伸びて確実に不味くなるラーメンのようなもので、男性は作り方次第では寝かせた方が美味しくなるカレーみたいなものです。
女性は期限に迫られ焦り、男性は期限に余裕にあるため、のんびりしすぎてしまう人が多いように感じます。