100種類以上あると言われている人間のホルモン。
そのホルモンが混ざり合ってできた「ホルモンカクテル」とよばれる化学物質によって、我々の性格は形成されているというのは広く知られるところですが、その中でも最強クラスに男性の性格、いや人生に影響を及ぼしているのがテストステロンであることに、もはや異議を唱える人はいないでしょう。
「闘争ホルモン」「恋愛ホルモン」などとも呼ばれているこのホルモンは、男性の人生を支配していると言っても過言ではありません。
「テストステロン―愛と暴力のホルモン」の著者でもあるジョージア州立大学のジェイムズ・ダブス教授によれば、テストステロンの匂いは、女性を本能的に惹きつけるといいます。
つまり、このホルモンを多く分泌していれば、モテモテになるのです。
実際、ラットのオスにこれを注射すると、メスが群がってくるといいます。
最近では、健康面でのメリットも注目されています。
テストステロンが適度に分泌されていると、前立腺ガン、脳梗塞、心筋梗塞、うつ病、更年期障害等になるリスクが減るという研究結果が、獨協医科大学の井手久満准教授らにより報告されているのです。
さて、そんな夢のようなホルモンですが、20代前半をピークに加齢と共に減っていくとされています。
今日はその減少を食い止めるどころか、若者並にバンバン分泌させちゃう方法について紹介していきたいと思います。
【1】明確な目標(野望)を持つ
本来、テストステロンは、狩りを成功させるためのホルモンです。
「高テストステロン男性=狩りが上手な男性」
という認識をされるため、女性が本能的に惹かれるわけです。
「狩りの成功」のような明確な目標を定めて、それに向かって突き進むことで、それをサポートするが如く、テストステロンはしっかりと分泌してくれます。
できれば、なかなか達成できないような大きな目標の方がいいでしょう。
逆に言うと、何も目標が定まっていない時には、テストステロンの分泌は非常に穏やかになります。
最も分泌が激減するのは、大きな失敗をしたり、敗北感を感じた時です。
恋人にフラれたり、仕事で大きなミスをしたりすると、性欲が減退したり、ヤル気が出なくなってしまうのは、このホルモンが減少したからなのです。
【2】バランスの良い食事を摂る
牡蠣などに多く含まれる亜鉛
ニラ等に多く含まれるアリシン
納豆や黒豆に多く含まれるDHEA
魚介類に多く含まれるアルギニン
玉ねぎ等に多く含まれるケルセチン
豚肉などに多く含まれるタンパク質
ニンニク等に多く含まれるビタミンB群
ウリ科の植物に多く含まれるシトルリン
甲殻類などに多く含まれるアスタキサンチン
畳鰯や鰹節などに多く含まれるアスパラギン酸
オリーブオイル等に多く含まれる一価不飽和脂肪酸
そして、あらゆる栄養価が高いニワトリの卵
上記が一般にテストステロンを多く分泌させると言われている食品・食材です。
しかし栄養素というのは、それ単体では機能しないことが多く、たとえば牡蠣だけを毎日食べていても、それでモテモテになる事はないでしょう。
上記の食材を意識しつつも、やはり「バランスの良い食事を摂る」ということに尽きると思います。
個人的には、マルチビタミン系のサプリメントは絶対に毎日摂った方がいいと思います。
【3】太らない努力をする
順天堂大学の辻村准教授は、1154人の日本人男性を詳しく調べた結果、
「肥満、高血圧、高血糖、脂質異常というメタボ因子が高い男性ほど、テストステロン値が低かった」
と発表しています。
欧米においても、同様の研究は多数行われており、太った男性のテストステロン値は総じて低いことが分かっています。
そして特筆すべきは、肥満になるとテストステロン値が低くなるのではなく、テストステロン値が低いことが肥満に呼び寄せる因子になっている可能性が非常に高いことです。
2014年にアメリカで、45歳~60歳のメタボと診断された40人の男性をA・Bと2つのグループに分け、5年間に渡って行われた実験結果が発表されました。
それによれば、
「定期的にテストステロンを補充(注射)していたグループは、そうでないグループに比べて、ウエストが平均で9.6cm細く、体重も15kg軽く、血圧や糖代謝も改善されていた」
というのです。
これらの研究から、テストステロンには、脂肪を分解する働きがある事がわかっています。
また、テストステロン値が低いと、インスリンへの抵抗性が増強するため、高血糖、高血圧、脂肪異常などの生活習慣病の発症リスクが高まることが分かっています。
太っていると、それだけで女性から敬遠されてしまうだけだなく、低テストステロンというさらなる非モテ街道を突き進む可能性が高いのです。
スリムな人はその体型を維持、太っている人は痩せる努力をしましょう。
【4】「適度な運動」をする
筑波大学大学院の鰺坂隆一教授は、肥満の中年男性31人を対象に行った実験で、
「ウォーキングなどの中強度の有酸素運動を週3回各90分、3ヶ月間続けたところ、21人のテストステロン値が正常化した」
と報告しています。
さらに、ウエスト、中性脂肪値、インスリン抵抗性、LDHコレステロール値など、メタボリックシンドロームに関連する項目も改善したといいます。
厚生労働省も「週2回以上、1回30分以上の息が少しはずむ程度の運動」を習慣づけることを推奨しています。
適度な運動が良い事はわかっていただけたと思いますが、やりすぎは禁物です。
たとえば、フルマラソンをすると、テストステロン値が回復するまでに2~3ヶ月かかると言われているのです。
長時間の過度な運動は、テストステロンを大量に消費してしまうからです。
ジョギングであれば、毎日やる必要はなく、上記のように週3回で十分です。
筋トレであれば、必ず中3日空けましょう。
(月曜日にやったら次は金曜日)
これは、筋肉は回復するまでに72時間を要し、その回復する段階で大きくなるからです。
【5】ストレスを溜めない
ストレスを溜めないことが、テストステロンを効率よく分泌させる方法だというのは、多くの科学者の大勢です。
ストレスを感じると副腎皮質刺激放出ホルモン(CRF)が出て、精巣を刺激する因子が減り、精巣でテストステロンが作られなくなってしまうからです。
テストステロンに限らず、様々なホルモンが正常に分泌されるためには、心身ともに健康であることが必須です。
適度にストレスを発散し、リラックスした毎日を送ることは、とても大切です。
敗北感や劣等感はテストステロンの分泌を減少させると言いましたが、実はこれの根本となっているのは、ストレスです。
ストレスの多さとテストステロン分泌量は相反関係にあり、実際にメンタルクリニックでは、うつ病かどうかの診断する際、テストステロン値を測定することがあるといいます。
ちなみに、うつ病の人にテストステロンを投与すると、2人に1人は改善するそうです。
【6】大量の飲酒を避ける
順天堂大学の堀江重郎教授は、その著者の中で、
「適量の飲酒でテストステロン値が下がることはなく、男女共にむしろ上がる傾向にある」
と語っています。
お酒を飲むとムラムラしてしまうのは、こうした理由があったのですね。
「ただし、ビールだけは注意が必要」
と教授は警鐘を鳴らします。
ビールの原料であるホップには、テストステロンの分泌を阻害するナリンゲニンという物質が含まれているからだそうです
最初の一杯程度であれば問題ないようですが、最初から最後までビールというのは辞めた方がよいとのこと。
(ナリンゲニンは、グレープフルーツやオレンジなどの柑橘類にも多く含まれているので要注意)
また、大量の飲酒も要注意とのこと。
大量のアルコールが体内に入ると、コルチゾールという筋肉を分解する働きのある物質の分泌量が増加、これが結果的にテストステロン値を下げてしまうのだそうです。
また、お酒に含まれるエタノールは、精巣にダメージを与えることで有名です。
精巣といえば、テストステロンの製造所。
やはり、飲み過ぎはよくないのです…。
【7】十分な睡眠をとる
テストステロンは睡眠中にも多く作られます。
質の良い睡眠から目覚めた朝は、ムスコも元気な状態になっているかと存じます(笑)
また睡眠は、脳と体をしっかりと休ませ、ストレスを発散させる方法としても非常に有効です。
まあこれは僕がここで言わなくても、多くのお医者さんが口を揃えて言ってますよね。
十分な睡眠をとることによって疲労を回復させ、心身ともに健康に保つことは、当たり前ですがものすごく大事です。
【8】異性の目を意識する
独身者が、結婚を諦めた瞬間に、テストステロン値が激減することが知られています。
反対に、目の前にエッチできる可能性がある女性がいると、テストステロン値が激増する仕組みになっています。
これはなんとなく、感覚的にわかっていただけると思います。
テストステロンは、狩りを成功させるためのホルモンだと言いましたが、それは言い換えれば、愛する妻や子供達を養うということです。
養う対象がいなくなった時、テストステロンはその分泌する意味をも失ってしまうのです。
テストステロン値が低下すると、ED、うつ病、糖尿病、骨粗しょう症、心血管疾患、循環器系の病気が発症しやすくなるだけでなく、性機能低下、認知機能低下などの症状が起こりやすくなることが医学的に証明されています。
結婚している人も、そうでない人も、何歳になっても異性の目は意識したいところです。
ファッションや髪型にこだわりを持って、自分磨きを怠らないようにしましょう。
男を捨てた瞬間に、男に戻るのは難しくなると覚えておいてください。
【9】誰かと競争をする
テストステロン値の高い職業ランキングの1位はアメリカンフットボールの選手で、最下位が牧師だそうです。
脚光を浴びながら競争しているような人は高く、地味に平和を追求するような人は低い、そんな印象を受けます。
「誰かに勝つ」というのは明確な目標であり、テストステロンが大好きな行為です。
会社勤めをしている人であれば、ライバルとなるターゲットを定めて、常にその人に勝つことを意識して仕事をしましょう。
優秀な成績を残して、みんなの前で表彰されたりなんかすれば、テストステロン値は、うなぎのぼりになることでしょう。
ライバルがいないという人は、休みの日に友達と何かを競うゲームをしたり、スポーツをしたりするだけでも全然違うと思います。
それすらも無理という人は、自分の応援する野球チームなどを作って、選手に自分を投影し、応援するようにしましょう。
【10】食べてはいけない物
ステビアなどの人工甘味料は、性ホルモンを減少させるとの研究結果があります。
また、発がん性や不妊因子を指摘する研究者もいることから、そもそも食品添加物として認可していない国すらあります。
(日本は食品添加物天国なのです)
ステビアに限らず、化学的に合成された化合物や調味料などは、なるべく摂取しない方がいいというのが僕の個人的な見解です。
なぜなら、その安全性を100%確認することは、不可能だからです。
安全と言われていたものが、100年後には「危険でした」となるかもしれません。
そもそも、元を辿れば、それらの原材料となっているのは石油なのです。
【11】自転車・座りすぎに注意
サイクリングの盛んなアメリカでは、300万人の男性が「サイクリングED」にかかっていると言われています。
ロードレースタイプの自転車の細いサドルが精巣付近を圧迫し、テストステロンの生成を抑制してしまうからです。
アメリカ泌尿器科学会の調査によれば、サイクリングを趣味にしている男性は、ジョギングを趣味にしている男性に比べて、4倍もの確率でEDを発症するのだそうです。
(ランナー1.1%、サイクリスト4.2%)
健康の為とはじめたサイクリングが逆に仇となってしまっては、元も子もないですね。
長時間の座りっぱなしも同様です。
座りすぎが体に良くないことは広く知られていますが、男性ホルモン的にも良くないことが近年わかってきました。
座る時間が長いほど血流が悪くなり、血管トラブルも起こりやすくなります。
また、血管平滑筋の内皮細胞も減少するので、これが精巣付近に悪影響を及ぼすと言われているのです。
デスクワークの人は、1時間に1回5分程度は立ち上がって、軽い運動などをしたいところです。